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STICKART
BE ORIGINAL — JINPO | STICKART Artist Stories
STICKART / ARTIST STORIES
ARTIST INTERVIEW / 001

BE
ORIGINAL.

JINPO

ストリートカルチャー、提灯ラントン、そして自分だけの表現をつくること。

ARTIST STORIES — JINPO17 JUN 2026 / OSAKA, JAPAN
「太陽の下に新しいものはない」。だからこそ、自分の手で、もう一段上へ。
— JINPO
CHAPTER / 01

BE ORIGINAL: ストリートではただの模倣なんか信じない

「BE ORIGINAL」という言葉は、一見するとありふれた表現に聞こえるかもしれません。「ただ自分らしくいればいいということ?」と思う人もいるでしょう。でも私にとって、この考え方はストリートカルチャーに深く根ざしています。

B-Boyの経験がある人なら、90年代のヒップホップシーンに「Bite」というハンドサインがあったことを知っているかもしれません。

他人のムーブをよく考えず、自分の中で消化もしないまま真似することを「Biting」と呼びます。ストリートでそのサインを向けられるのは、強い軽蔑を意味します。

「太陽の下に新しいものはない」。AIがさまざまなことをこなす現代では、100%純粋なオリジナルを生み出すのは難しい。私自身にもできません。それでも、なぜ私たちはオリジナリティを追い求めるのでしょうか。

私にとって大切なのは、何もないところからすべてを作ることではありません。「Fusionist」として、さまざまな場所から吸収したものを自分の直感と魂で融合させ、昨日の自分の枠を超えることです。自分の力でもう一段上へ引き上げようとする姿勢こそが、その人のオリジナルを形づくるのだと思います。

CHAPTER / 02

日本の伝統的な提灯が「あのピクサーランプ」と出会うとき

STICKARTのために制作した「提灯ラントン」シリーズは、私の考えるオリジナリティを形にした作品です。

反射素材は、暗い場所では目立たないのに、光が当たった瞬間に強く輝くという面白い性質を持っています。その特徴から、子どもの頃に見たピクサー映画のオープニングで、小さなランプが暗闇の中を生き生きと跳ね回る姿を思い出しました。

この「光と影の躍動」を、日本の伝承に登場する「提灯お化け」と組み合わせたら、どんな表現が生まれるだろう。そう考えたのです。

昔ながらの紙の提灯に手足を与え、自分の持ち手をつかみながら宙に浮かぶ、反骨精神のあるキャラクターへと変身させました。バイクやスケートボード、ノートパソコンに貼られた提灯ラントンは、通り過ぎるヘッドライトの光で闇から目覚めます。素材とキャラクターが生む、そんな化学反応を表現しています。

CHAPTER / 03

ライダーたちへ:画一的なスタイルとは違う選択肢

伝統と現代性をどう組み合わせるかを考えるとき、私の発想はいつもストリートの現実と結びついています。

反射ステッカーは車やバイクに貼られることが多く、乗り手には周囲から見えることへの意識があります。一方、道路でよく目にする緑と黄色の初心者マークは、形が決まっていて少し退屈にも感じられます。

そこで、伝統的な提灯お化けと現代の初心者マークを融合させました。ありきたりな見た目に埋もれない、別の選択肢をライダーに届けたかったのです。初心者マークを表示するときにも、自分らしい「BE ORIGINAL」の姿勢を表現できると伝えたいと思っています。

CHAPTER / 04

創造のプロセス:自由な想像を身体で確かめる

AIが瞬時に画像を生成できる時代に、今でも手で絵を描く必要があるのか、とよく聞かれます。

私にとってAIは電話のようなものです。いつでも呼び出せば誰かが仕事をしてくれる。便利なのは確かです。でも、自分の手で作ることは、自分自身に誠実であり続けるために欠かせません。芸術を生み出すプロセスそのものは、置き換えられないと思っています。

朝、頭の中では複雑なブレイクダンスの技を完璧に思い描けます。宙返りも回転も足の動きも、想像の中では思いどおりです。ところが夜、スタジオで実際に身体を動かすと、理想と現実の間に必ず差があると気づきます。朝に描いた完璧なイメージを、そのまま再現することはほとんどできません。

でも、それでいいのです。朝の自由な想像から夜の身体的な現実へ向かう過程こそ、創作の中で最も刺激的で、本物で、充実した部分です。目を大きく見開いた「提灯ラントン」にも、その思いを込めています。何もかもが手軽に消費される暗い時代に、雑音の向こうにある、オリジナルであることのかけがえのない細部を照らす存在なのです。